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玩具は家族の笑顔をつくる

千葉県全域

2014年02月19日水曜日

オニオン記者投稿

玩具は家族の笑顔をつくる

2014年02月19日水曜日

おもちゃは親子、友人、大人同士で楽しめる、エンタテイメントの原点。

現代生活の娯楽といえば、今やその選択肢は多岐にわたる。
しかし同時に、どれだけ娯楽の種類が増えても、人々の求める基本的なエンタテイメント性や楽しみ方などは変わらない。

今回はそうした娯楽がもたらす意義を考えるため、エンタテイメントの原点の一つとして、誰でも遊べるおもちゃに着目する。

おもちゃがもたらす家族のコミュニケーションの生成や、大人同士も楽しめるその世界観などを、日本グッド・トイ委員会「東京おもちゃ美術館」の山田心氏に伺った。
 

遊ぶ、作る、会話する

おもちゃといえば子供のもの、と考える方も多いだろう。
しかしおもちゃは全世代が共通して楽しめる、究極のエンタテイメントとして常に人々の生活に寄り添ってきた。


「おもちゃの楽しみ方は〝遊ぶ〞〝作る〞〝会話する〞にあります。当館は触れて遊べる体験型のミュージアムとして、展示されたおもちゃのほとんどは実際に遊んでいただけるものばかりです」と話すのは、東京おもちや美術館のディレクターで、おもちゃコンサルタントである山田心氏だ。


「また、おもちゃの楽しみは遊ぶだけではありません。当館にはおもちゃの工房があり、自分でおもちゃを手作りできます。世界でひとつだけのおもちゃは創造性と想像力を生み出します」
館内の各展示室には、おもちゃ学芸員と呼ばれるボランティアスタッフがいる。

「おもちゃ学芸員がおもちゃの遊び方や美術館の楽しみ方など、おもちゃの世界を案内しています。人気の学芸員には指名が入るほどで、彼らを通して、おもちゃのもつ魅力を表現することができています」

東京おもちゃ美術館が設立された最大の目的は、おもちゃや遊びを通した人と人のコミュニケーションの実現だ。


楽しいおもちゃがあれば、ついつい隣にいる知らない人ともその楽しさを共有したくなってしまう。
そうして生まれる人のつながりは老若男女、世代を超えて幅広い。

それをつなぐのがおもちゃ学芸員の役割でもあるが、山田さんはおもちゃ学芸員について、「10代から80代まで200名以上が登録していますが、そのなかには〝おもちゃコンサルタント〞という資格をもった専門スタッフも多数います。おもちゃコンサルタントはあらゆる角度からおもちゃについて学び、遊び方やコミュニケーションの面などから、おもちゃのエンタテイメント性をさらに高めて来館者がより楽しめるように活動しています。例えばおもちゃの選び方をアドバイスして楽しい子育て術を伝えたり、身近な素材でおもちゃ作りをすることで、モノづくりの喜びを伝えるなど、活動内容は幅広いです」と話す。

「遊び力」を引き出すグッド・トイ

おもちゃ遊びの専門家であり、エンタテイメントの原点を伝えるおもちゃコンサルタントの役割は前項の通りだが、その彼らによって選出されるグッド・トイをご存知だろうか。


グッド・トイは日本のおもちゃ文化の向上と、子どもと大人の「遊び力」の育成を目指して、1985年より毎年優良なおもちゃを選出している。

「グッド・トイは3つの方向性と6つのポイントを軸に、全国のおもちゃコンサルタント約2000名による投票で選定されます。今年は35点が選出され、ルールが単純で幅広い年代の方が楽しめるアナログゲームがたくさん選ばれました。また、手先を使い、遊び方に広がりのあるブロックや積み木などの玩具も多かったですね」と山田氏は解説する。

また、そのなかから国産材を活用したおもちゃ1点に贈られる「林野庁長官賞」も3年前から開始。

今年は『森のどうぶつみき』という、飛騨高山の職人が地元の木で作る木育おもちゃが受賞された。
様々な動物を模したパズルのような積み木が動物ごとにつがいや親子になっており、遊びのなかで親子関係や森のつながりを知ることのできるスグレモノ。

「さらに同賞受賞理由にもありますが、優しいデザインで何の動物であるかすぐに分かるように作られているのも、当たり前のようで難しいこと。こうした賞がおもちゃ職人の技術向上の一助になり、モノづくりのレベルアップサポートもしていきたい」と山田氏は言う。


日本のおもちゃ市場には溢れんばかりのおもちゃが並んでいるが、そのほとんどが発売後すぐに消えてしまうようなものばかり。
結局ロングセラーとなっているようなものは、シンプルで世代を超えて遊べるものだ。
人々のコミュニケーションを促進し、遊び文化を継承していくことに、おもちゃのエンタテイメントとしての本来の役割があるのだろう。

様々なおもちゃの世界


2007年にオープンし、約15万点ものおもちゃを所蔵する東京おもちゃ美術館。
そこには木のブロックや積み木から、テーブルサッカーなどの大人も楽しめるゲーム、昔ながらのけん玉やお手玉など、国内外の様々なものがあるが、地域文化を象徴するようなおもちゃも多い。

それらは各地の風土に合わせて形づくられ、郷土玩具として知られている。
郷土玩具はいわゆる遊ぶためのおもちゃではないものも多く、家内安全などの願いを込めて飾ったり、鳥取市の流し雛のように、厄災を除くためにお雛様を象った人形を身代わりにして川や海に流す人々の風習もある。

そのほか、そろばんも計算機としてだけではない、様々な魅力の打ち出し方をしている。
職人が半年かけて作った巨大そろばんで遊ぶことや、制作工程を遊具化することによって職人の技に挑戦できるなど、体験を通じて日本の伝統に親しむことを重要視している。

さらにおもちゃ美術館でも最近では小児病棟や高齢者福祉施設などにおもちゃを持っていき、治療やリハビリの一環として、おもちゃの活用も行っている。

「おもちゃは遊ぶと遊び手によって、その魅力が大きく変わります。もっと人生におもちゃで遊び要素を取り入れていき、生活を豊かにしていただきたいですね。そのためには大人が見て魅力的と思えるおもちゃも増やしてほしいです。そうすれば、おもちゃがよいツールになって子育ての環境もさらに楽しくなりますよね」と、これからのおもちゃの役割について山田氏は語った。

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東京おもちゃ美術館

ボランティアスタッフ「おもちゃ学芸員」が、様々なおもちゃや遊び
文化を紹介。遊んで会話を楽しむ賑やかなミュージアム。廃校に
なった小学校の10教室を活用し、NPOが自主運営している。 
開館時間▶10時~16時(入場は15時30分まで)
休館日▶木曜日
住所▶〒160-0004 東京都新宿区四谷4-20 四谷ひろば内
TEL▶03-5367-9601
H P▶http://goodtoy.org/ttm/
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◎入館料 こども  500円 ※2歳以下は無料
     おとな  700円 (中学生以上)
     ペア券  1,000円 (子どもと大人各1名のペア券)
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取材協力:山田 心さん
東京おもちゃ美術館ディレクター、おもちゃコンサルタント。
2004年から同館で勤務。
「移動型おもちゃ美術館」で遊びの大切さを全国に伝えるなど、多方面で活動中。

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