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長年の園長経験をもとに歴史ある千葉市動物公園を魅力的なテーマパークに変える

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2016年02月27日土曜日

オニオン記者投稿

長年の園長経験をもとに歴史ある千葉市動物公園を魅力的なテーマパークに変える

2016年02月27日土曜日

千葉市動物公園 園長 石田 戢氏

石田 戢/いしだ・おさむ
1946年東京生まれ。東京大学を卒業後、東京都庁に入り上野動物園の運営事務を務める。79年から現場を担当するようになり、井の頭自然文化園、葛西臨海水族園の園長などを歴任。2014年4月より現職。『日本の動物園』など著書多数。

千葉市のほぼ中央にあり、約34ヘクタールの広大な敷地に小動物や鳥類を含む多種多少な動植物を展示する千葉市動物公園。1985年の開園から30年の節目を迎えようとしていた2014年、集客力強化を図る『リスタート構想』を発表。それと同時に、熊谷千葉市長が推進してきた“民間からの職員登用”の一環として、豊富な知識と経験を兼ね備えた石田戢氏が園長に抜擢された。そして本年4月、リスタート事業の第一弾「ライオン舎」と「ふれあい動物の里」がオープンする。今回は、石田園長に新しく生まれ変わる園の魅力などを伺った。

人生を方向付けた上野動物園との出合い

「東京で生まれ育った石田氏は18歳の春に東京大学文学部に入学した。60年安保闘争から続く混沌とした時期に学生生活を送り、卒業後は東京都庁に入庁。最初に配属されたのは建設局で、「恩賜上野動物園」の経理や物資調達など事務方に就いた。大学で哲学を専攻していた石田氏にとって動物に囲まれる環境は初めての事で、同年代の飼育係たちと話すうちに動物の生態に興味を持ったという。

「哲学というのは多様な情報をひとつずつ整理し、概念化する学問です。日々動物たちを眺めていると、同じ猿でも個体や環境、成長具合によって著しく異なる点に気付きましてね。動物の生態がこれほどまでに多様なのかと驚くと同時に、どんどんのめり込んでいきました」

それから一念発起して上野動物園飼育課に転職。ジャイアントパンダの「カンカン」と「ランラン」が来日し、パンダフィーバーで盛り上がる同園を裏から見つめていた。平成7年には再び都庁に戻り、井の頭自然文化園や葛西臨海水族園の園長を務めた後に定年を迎える。

リスタート構想への参画
そして園長就任が決まった

動物園業界での経験を活かし、退職後は帝京科学大学のアニマルサイエンス学科の教授に就任した。そして2013年の夏、熊谷千葉市長の号令の下に始まった『千葉市動物公園リスタート構想』のブレーンとして参加が決まり、翌年から同園園長就任が決定する事となる。

「1980年に園がオープンした時と、その後も何回か訪れていました。ここは動物園にしては珍しく平坦な地形が特徴で、人工的に丘陵地帯を造るなど苦心された場所だと感じていました」動物園を造る際、自然な土地の起伏を利用してゾーンを演出するのが一般的だ。石田氏曰く「ゾーンとゾーンの間に死角を設けて、次の動物に出くわしたときの感動や、ある種のサプライズ的な演出が必要なんです」開園30年を迎えようとしている時期に園内をリニューアルする事が急務だった。

具体的な施策としては、現状7エリアに分かれているゾーンを再編成するプランを構築した。「具体的には、アフリカの平原、アジアの森林地帯といったように、地理的要素と生態的要素別を盛り込んでいきます」こうして各ゾーンの特色が生まれ、従来よりもストーリー性のある見せ方が可能になるという。

本年4月よりついにライオンが登場

石田氏が園長となり、『リスタート構想』の第一弾として実施されるのが、4月にオープンを予定している「ライオン舎」「ふれあい動物の里」の2施設だ。同園初の猛獣が登場とあって、「できるだけ間近で、ゲストとライオンとの間に柵やガラスなどが大きな障壁とならない自然な状態で、かつ安全に鑑賞していただけるような動物舎になります」現在、ライオン舎の造成は急ピッチで進められている。

一方の「ふれあい動物の里」は、昨年まで営業していた遊園地の跡地に完成する。約2ヘクタールの広さという大規模なエリアが計画され、その中では乗馬体験や動物との触れ合いコーナー、巨大遊具など、キッズ向けの仕掛けが用意されるという。石田氏自らが園内をガイドする「園長ライブ」など、多彩な体験型プログラムも開始予定だ。「〝リスタート〟とは再出発を意味します。

開園30年を経て、千葉市動物公園はより見やすく、より楽しめる園に生まれ変わります。これから段階的にリニューアルを進めていきますが、まずは4月のライオンの登場に期待していただきたいですね」4月のオープニングセレモニーを皮切りに、ゴールデンウィークから夏にかけ、様々なイベントを計画中とのこと。春の到来とともにリスタートする同園に、大きな期待が集まっている。


「間近で見るライオンにこだわった」と語る石田氏。


岩のレプリカなど意匠を凝らしたライオン舎の完成予想図。