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千葉に息づく伝統工芸の業 手描友禅・篠原 清治さん

柏・松戸・我孫子・流山

2015年06月02日火曜日

オニオン記者投稿

千葉に息づく伝統工芸の業 手描友禅・篠原 清治さん

2015年06月02日火曜日

京友禅、加賀友禅と並び三大友禅と称される東京手描友禅。
江戸の時代から受け継がれた伝統的な技法を用い、“粋”で品の良い情景を生絹の着物に丹念に描いていきます。
松戸市に工房を構える伝統工芸士・篠原 清治さんを訪ねました。

江戸の町人文化から生まれ・愛された「東京手描友禅」

多彩な色を用いた雅な京友禅、加賀五彩で知られる加賀友禅に対し、江戸の町人文化を背景として、都会的で品が良い単彩で“粋”を身上とした東京手描友禅。
手法は京・加賀などと同じですが、江戸の気風を反映した粋・渋さ・洒脱な雰囲気が、東京手描友禅の大きな特徴。
創造的で洗練されたモダンとも言われたその都会的なセンスは、江戸の昔から現代まで庶民文化の中に脈々と育まれて来ました。
京都友禅は各工程が専門の職人の分業でおこなわれますが、東京手描友禅は、構想から糊伏せまでを一人で行い、地染めまですることもあるとか。
その卓越した技法・美しさは日本国内のみならず海外においても高い評価を得ています。


(写真・左)様々な花が描かれた作品。染めの美しさとともに、生地本来の風合いを生かしている。
(写真・右)手描友禅を用いた小物類。小さくともしっかりと友禅の持ち味とデザインを感じられる。

「東京手描友禅」ができるまで

構想・図案
着る人の年齢・体型・用途を考慮して、模様をひな形に書きます。
注文の場合は、全てのデザインを起こし了承が取れてから、次工程に移ります。
⇒下湯のし
生地の巾や丈を整えます。
⇒下絵
模様を染めるために、仮縫い白生地や付け下げなど、長尺の記事に青花液を筆に含ませて、構想、図案通りの模様を線描きします。
青花液の原料は露草の花汁。
⇒糸目糊置き
染料が模様の他の部分ににじむのを防ぐため、糯糊(もちのり)、ゴム糊などで生地に下描きされた輪郭や線に添い、筒紙に入れた糊を押し出しながら生地の表面に置きます。
染め上ったとき、糊の線が糸を引いたように白く残るので「糸目」と呼ばれます。
⇒地入
生地の両端を張り手に挟んで張り伸ばし、糊の溶液を刷毛で塗布します。
糸目糊を生地に密着させ、発色を良くするとともに、染料が染み出さないようにします。


(写真・左)下絵 青花の汁で描いた下書きは水で洗うときれいに消えてしまう。
(写真・右)糸目糊置き 防染用の糸目糊で下書きの上をなぞり、糊で囲んだ部分に色を挿していく。

⇒手描友禅挿し
地入が済んだ糸目糊置の内側の模様に、小さな刷毛や筆で染料液を色挿しします。
染料の色合わせと全体の色の調和を整えたり、染料の持つ性質を考慮するなど、最も重要な工程です。
⇒糊置伏せ
色挿しされた模様を厚く糊伏せ(マスキング)をしていきます。
⇒引染
生地の地染めをします。大刷毛に染料を含ませて染料液を均一に、総体に染めつけます。
大刷毛、子刷毛を使って種々のぼかし染めをする技法もあり、高度の技術を必要とします。
⇒蒸し・水洗い
引染乾燥後に高温の蒸気で染料を発色・定着させます。
その後、水槽に漬け込み、余分な染料や不純物とともに糊を洗い流します。
この時落ちた糊の線が、先ほどの「糸目」と呼ばれる白い線となって現れます。
⇒上湯のし
生地の巾や丈を整えます。白生地の段階を「下湯のし」、仕上げの段階を「上湯のし」と言います。
⇒仕上げ(東京手描友禅製品)
染め上った模様の部分を、完成品にするため筆や刷毛などで補正して仕上げます。
仕上がったものを一層引き立たせるため、部分的に金銀箔などを固着させます。


(写真・左)色挿し 1つの作品を仕上げるために、濃淡合わせていくつもの染料を用意。
(写真・右)仕上げ後 繊細で気品あふれるやわらかな色合い。

江戸の粋を今に伝える東京手描友禅

篠原さんは15歳から友禅の修行を始め、この道52年。
「女性の優しさ、神秘性、誇り等、本来の美しさを引き出せるような着物を創作していきたい。」と語る篠原さん。
美しい作品の数々には、その裏で途方もない手間がかかっている、まさに丹精こめて作り上げる逸品です。
体験教室や展示販売なども行っているので、ぜひ一度この芸術に触れてみてはいかがでしょうか。

Profile

伝統工芸士・篠原清治さん
経済産業大臣認定 東京手描友禅伝統工芸士。
手描友禅は千葉県指定伝統的工芸品にも認定されている。東京都工芸染色協同組合所属。
1948年神奈川県生まれ。東京・神田で模様師・中林弘幸のもとで修業し、1975年結婚と同時に独立。
奥さまの実家に近い松戸市にて「手描友禅工房 篠原」を開設。
例年2月に開催される千葉県の伝統的工芸品展や、東京都工芸染色協同組合主催の染芸展に出品。2011年の染芸展では「全日本手描染色伝合会 会長賞」を受賞。

手描友禅工房 篠原

住所:松戸市上本郷4222-1
電話:047-364-9769
営業時間:【展示販売】毎週金曜・土曜 10:00~19:00
     【手描友禅教室】月2回土曜 13:30~16:00
    ※受講料2回8,000円、材料費実費(絹小物で3,000円ほど)、入会金3,000円
    ※友禅体験教室(2時間3,500円。要予約)も実施。
アクセス:新京成線松戸新田駅より徒歩7分

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