【5/24開催】いざという時慌てない 現役専門医がアドバイス 胆のう手術と向き合うためにいまから出来ること
2014年05月23日金曜日
高齢者ご本人やご家族にとって、病気に対する不安や悩みは常に向き合わなくてはならない課題。
全国で介護事業を展開する『ベネッセスタイルケア』は、これからの医療や健康における正しい知識や対処法、病気との上手な付き合い方について定期医療セミナーを開催しています。
今回は、身近な病気で知られる『認知症』や『胆嚢結石、胆嚢炎』がテーマ。
理解を深め上手に付き合いながら、人生を送るためのヒントを学んでみてはいかがでしょうか?
5月24日(土)14:00~
「腹腔鏡下胆嚢摘出術について」
~傷の無い手術を目指して~
【会場】ここち東船橋 ※JR総武線「東船橋駅」北口より徒歩14分(約1,070m)
【参加費無料/予約制・定員50名様】
http://kaigo.benesse-style-care.co.jp/event/kanto_03.html
胆嚢結石は日本人の約10%、1000万人を超える人が持っているといわれ、年齢を重ねるごとに出来やすくなり、特に肥満気味の中年女性に多くみられます。
そして、「腹腔鏡下胆嚢摘出術」は、傷のない手術として今注目の高い手術法。
今回のテーマについて、船橋総合病院副院長 斎木 仁先生に、お話を聞きました。
胆嚢結石や胆嚢炎とはどのような病気なのですか?
肝臓から消化液の一種である胆汁が作られ、これを一時的にためておく器官が胆のうです。
胃の中に食物が入ると、その信号を受けて胆のうが収縮し、胆汁が流れ出して食物を消化します。
何らかの原因で、胆汁の流れが悪くなると、胆汁の折出物である結石ができたり、炎症が生じます。
胆嚢結石があるというだけでは、症状はあらわれませんが、それが胆汁の流れをつまらせたりすると、強い痛みや吐き気、肩こりのような症状が起こります。
また炎症が起きると高熱が出たり、黄疸など肝機能障害となることもあります。
症状をとるためには薬物治療を行います。
胆嚢結石が胆管内につまっている場合は、内視鏡を使って石を取り出す方法もあります。
施設によっては体外衝撃波で石を砕く方法もありますが、砕ける石が限られていることや砕いた後、胆管の中でつまってしまう可能性があり、ベストな治療法とは言えません。
最も確実な方法は手術で胆嚢結石を取り出してしまうことです。
手術となると不安がありますが…
従来はお腹を切開開腹し、直接胆嚢を取り出すことが一般的でした。
きっとこのイメージが強いので不安に思われるのでしょう。
現在は、腹腔鏡という細長いカメラで腹腔内を観察しながら行う「腹腔鏡下胆嚢摘出術」が主流となっています。
この手術のメリットは、傷が小さいことにより体への負担が少なく、術後の回復が早いことです。
また、美容的にも傷が目立たないので特に女性にはメリットが大きいと思います。
ただし、熟練度の差が出る手術であり、症状によっては開腹に切り替えることもあります。
かかりつけの医師によく相談してみてください。
術後は翌日から、歩行や飲水、ほとんどの場合食事も可能になります。
3日程経過すると、かなりスムーズに動けるようになります。
ご自身で楽になったと思う時が退院の時ですね。
退院後、日常生活は普通に行えますが仕事や運動などは体調に合わせて1週間後くらいから徐々に始めてください。
最後に皆様にお伝えしたいことは、胆石症は、成人の10人に1人が持っているといわれる非常に一般的な疾患です。
自覚症状がないとなかなか治療を受ける気にならないかもしれませんが、腹腔鏡手術であれば数日間の入院で傷もほとんど目立たず治すことができます。
あまり怖がらず、まずは胆石があるかどうか検査だけでも受けてみてください。