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立位テニス国際大会で優勝!髙野健一選手が熊谷市長に表敬訪問

立位テニス国際大会で優勝!髙野健一選手が熊谷市長に表敬訪問

2019年02月12日火曜日

昨年12月にアメリカで開催された障がい者立位テニスの国際大会「TAP USA OPEN 2018」において、千葉市職員の髙野健一選手が優勝を収めました。結果報告のため、2月5日に行われました熊谷市長への表敬訪問の様子をご紹介いたします。

正面:千葉市熊谷俊人氏
右奥より:
髙野健一氏
日本障がい者立位テニス協会 代表理事 柴谷健氏
日本障がい者立位テニス協会 理事 渉外担当 柴谷玲子氏
タムラクリエイト株式会社 代表取締役社長 田村賢司氏
特定非営利法人 テニスコミュニティ千葉 理事 秋山 陽氏

 「立位テニス」とは

手や足に障がいを持つ身体障がい者が車いすではなく、立って行うテニス競技である。「車いすテニス」はパラリンピックの正式種目にもあるメジャーなパラスポーツだが、障がいによっては立ってならテニスが出来ても、車いすでは出来ない方もいる。例えば高野選手のように腕の一部が無い場合、ラケットを持ちながら車いすを操作することができないのだ。障がいがあっても立てるのなら立ってテニスをしたいと望む方もいる。しかし「立位テニス」にはこれまで交流やリハビリを目的とした福祉的領域の場に限られていた。国内外で実力を競える場が無かったのである。

車いすに乗ればパラリンピック、知的障がい者にはスペシャルオリンピックス、聴覚障がい者にはデフリンピック、とそれぞれに世界での活躍のチャンスがある。視覚障がい者にはブラインドテニスが全国障害者スポーツ大会種目となっている。
「立位テニス」もそうした競技化を望み2013年頃から世界の各地で小規模な大会が始まり、2015年から世界大会も開催されるようになった。日本では、2018年8月に一般社団法人障がい者立位テニス協会が設立され、本格的に活動を開始した。
ルールは通常のテニスと同じだが、一部のカテゴリーでコートサイズや使用球が異なるなど特別なルールもある。

 「TAP USA OPEN 2018」大会について

(日本障がい者立位テニス協会 代表理事 柴谷健氏より)
昨年12/7(金)~9日(日) アメリカテキサス州ヒューストンにて、手や足に障がいを持つ方が立ってテニスを行う世界大会「TAP USA OPEN 2018」が開催された。
TAP公認大会のひとつで、出場すると成績によってポイントが付与され独自のワールドランキングに反映される。出場選手は順位が確定する方式で試合が行われた。

この競技は試合の公平性を期すため、障害別にカテゴリー分けされている。
本大会はA1とAの2つのカテゴリー分け。5か国から25名の選手が参加し、日本人選手はA1に3名、Aに3名が出場。
参考)A1:走れる(上肢障がい、下腿義足など) A:余り走れない(大腿義足など)

 大会の結果について

髙野選手はこの大会で3日間にわたり、初日リーグ3試合、トーナメント2試合、決勝戦1試合を行い、優勝を果たした(日本人選手では過去にも2016年A1優勝あり)。打って攻めるプレイスタイルで決勝戦は6-0、6-1と圧勝し、初出場で優勝!強さを見せつけた。
彼のパフォーマンスは大会会場にいた全ての選手や関係者を注目させる活躍ぶりであり、みんなを感動させたという。その他の日本人選手も、A1で6位と7位、Aで5位~7位で入賞し、いずれも好成績を収めた。

新しいパラスポーツ「立位テニス」は髙野選手のような実力のある選手の登場により、この競技がパラリンピック正式種目入りや、国際テニス連盟の公認となる日も近いのではないかと期待している。
今年日本で初めてこの競技で「全日本選手大会」を開催するため、千葉市にご協力いただき、計画が進行中。2020年には千葉県で「世界大会」も決定しているので、今後も立位テニスに注目していただきたい。

©Scott Carr氏

中央:髙野選手
向かって左側の男性:
TAP FOUNDATION創設者のEnzo Amadei Jerez氏
向かって右側の女性:
全米テニス協会テキサス支部のCindy Benzon氏(TAP USA OPEN 2018 大会本部長)

 熊谷市長との対談

髙野選手も知っているし、立位テニスはこれからの有望なパラスポーツではではないかと思っている。この一連の動きと千葉市の職員からの活躍を嬉しく思う、と熊谷市長が語る。

 Q 障がい者立位テニスの存在を知り、誘いを受けてどう感じましたか

今まで車いす競技しかないと思い、自分自身は健常者の中でテニスをやってきました。改めてお話を聞いた時に、自分と同じような障がいを持っている人たちの中でプレイをしたら、自分はどれくらいの力だろう、どういう人たちがいるのかという純粋な興味がありました。

Q世界大会で世界の人たちと交流するという新たな環境ではどうでしたか

いろいろな国の人たちがいるので、言語で困りました。英語を勉強しなければいけないと、今回強く感じました。

 Q初めて日本代表を経験し、緊張感や使命感はありませんでしたか

決勝戦が終わると疲れてすぐに寝てしまいました。本当はみんなと夕食出かけるはずだったのですが…それほどプレッシャーを感じていたと思います。

 

普段のテニスの練習は

平日は17時以降、仕事が終わったあとに練習しています。
休みの日はKen’s テニスパーク海浜幕張(タムラクリエイト)のコートを日本障がい者立位テニス協会でお借りして練習しています。
主軸はテニスですが、障がい者の陸上や野球もお誘いがあったので参加していますよ。
障がい者野球は一般の野球とはルールが違うので、ポジションというより主に代走ですね。車いすなどの走れない方が打った場合、代わりに走っています。

髙野選手のこれからの意気込み

今回優勝しましたが、世界中にはまだ強い人がいっぱいいます。その人たちが出てきたときに、どのくらい戦えるのか、まだこれで終わりという気持ちではありません。

今年も12月に開催される世界大会に出場し2連覇を目指していきたいと思っています。

とても気さくで明るい反面、はにかむ姿もありました。
今後も髙野選手の活躍で「立位テニス」が世間に広まっていくよう、応援し続けたいですね。