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【千葉の活力を追え】千葉県里親会インタビュー!あなたも里親になりませんか?

 千葉県全域

2018年09月27日木曜日

オニオン編集部投稿

【千葉の活力を追え】千葉県里親会インタビュー!あなたも里親になりませんか?

2018年09月27日木曜日

里親制度を拡充させ、子と親をサポートし、養育の社会化を進めたい

芝山 鉄之助

千葉県里親会・芝山 鉄之助/しばやま・てつのすけ

1952年、君津市に9人兄弟の長男として生まれる。 地元の高等学校を卒業後、君津市役所に入職。在職中の1999年に里親登録し、一時・長期委託にて里子を 長年にわたり受け入れてきた。現在は千葉県里親会所属。

 

経済的な問題や望まない妊娠・出産など、さまざまな事情で親と暮らせない子どもは全国に約4万5千人いると言われている。近年では虐待によって実親の元を離れて暮らすというケースも少なくない。そのような子どもたちを養育するのが里親制度だ。里親制度とは1948年に制定された児童福祉法により、自治体が認定した里親の元で児童が安定した暮らしを送ることができる制度である。長期養育に加え、週末や夏休み、冬休みなどの長期休暇に実施される一時養育も行われている。今回は千葉県里親会の芝山鉄之助氏に、里親制度の現状や実際に里親として子どもたちと過ごした日々について伺った。

児童虐待のニュースで里親になろうと決意

君津市に生まれ育ち、長年にわたり君津市役所の職員だった芝山氏は、元看護師の妻と今も君津市に住んでいる。現在は2人の子どもも独立し、夫婦で静かな生活を送っている。そんな芝山氏が里親制度と出会ったのは今から20年近く前のこと。当時からテレビや新聞などで親からの虐待を受ける子どもたちの話題がしきりに取り上げられていた。

「虐待のニュースを見るにつけ、辛い思いをしている子どもたちをどうにかしてあげたいという思いが膨らんでいきましてね。自分が里親になれば、苦しんでいる子を助けてあげられるんじゃないか。仕事で福祉関係の勉強をしていたこともあり、里親制度の概要くらいは知っていましたが詳しいことまでは分かりません。児童相談所の福祉勉強会に何度か参加したり、そうやって準備を進めながら、1999年の夏頃に里親の申込みをしました。」

居住地の児童相談所に里親登録の申込みをすると、まずは県が実施する研修を受講し、その後児童相談所職員が自宅訪問を行う。ここで家庭状況や養育への考え方などについてヒアリングを受けた後に、千葉県社会福祉審議会で審査され、問題がなければ里親に認定される。芝山氏が里親認定を受けた2000年当時、千葉県には約200組の里親がいた。

大変な分、喜びがある、子ども達の成長を実感できる幸せ

里親に認定された年、芝山氏は施設の子どもと1泊2日のキャンプ生活を過ごす〝ふれあいキャンプ〟に参加。 翌2001年には自宅で初めて里子を受け入れた。

「最初のキャンプは2日間だけ触れ合うというものでした。その翌年に児童相談所から『短期間だけ自宅で里親体験してみませんか』という打診があり、お盆とお正月に3泊4日でお預かりしました。その時我が家にやって来たのは、小学校高学年と低学年の男児2人です。」  初めての自宅での受け入れで、当初は緊張もあっただろう。里親の元に預けられる子どもも最初は身構えている。

「せっかく我が家に来てくれるのですから、何か特別なことをしてあげようと里親は考えがちです。私たち夫婦も最初はそうでした。ですが、子どもにとって一番大切なのは、ここが居心地の良い場所かどうかなんです。初めて自宅で受け入れてみて、特別なことは必要ないと感じました。必要なのは、何でもない普通の生活を送らせてあげることです。その子たちはそれから数年間にわたって夏と冬に来てくれました。」

2人の男児は成人した今でも電話でやり取りをしたり、時には家を訪ねてくることもあるという。 それから数年後、中学3年生の女児を長期養育した。

「高校を卒業するまでという約束でお預かりしました。受験を控えていますし、15歳の多感な時期でもありますから。長期で受け入れるにはそれなりの覚悟も必要でしたね。大変だろうけど、コミュニケーションを取って心理的な距離を縮めていけばいい。そんな風に考えていました。たしかに困難なことが多い3年半ではありましたが、やはりその子が成長していく過程を見るのが私たちにとっての喜びでした。」

養育の社会化のために里親制度の拡充を願う

2017年度末、千葉県(千葉市を除く)では約480組の里親が登録されている。その活動を支えるのが芝山氏の所属する千葉県里親会だ。会のモットーを芝山氏はこう語る。

「色々な事情で実親と暮らすことができない子がいます。そんな子たちがほっとできる場所を提供するのが里親制度だと私は考えています。施設での集団生活とは違う体験をさせてあげることができます。例えば、ごはんの支度や掃除のお手伝いをしたり、あるいは水道の水を出しっぱなしにしたら怒られたなど。そうした体験がやがて彼らが大人になった時や子どもを持った時に活きてくるんです。笑い話のようですが、前日の夕食の残りが翌朝出たって驚く子もいるんですよ。でもそれが、どこの家でも普通に行われていること、日常ですからね。彼らに日常を経験させてあげるのが何より大切です。」

また、芝山氏は子育て世代の支援にも目を向けている。かつては当たり前だった三世代同居や近所付き合いが希薄になった昨今、全国的に広がるファミリーサポート事業の一環として里親制度を活用すべきと提唱している。

「親と子だけという狭い環境が虐待の一因になっていると言われています。たまにはパパママにも息抜きが必要ですからね。昔は祖父母やご近所さんに『ちょっとうちの子を見てて』ができましたが、今はそれが難しい。あるいは子育てが辛いと感じてしまう。そういった時に里親を利用することもありだと私は考えています。また自分が里親になった際には先輩里親との交流や情報交換の機会がたくさんあります。祖父母やご近所さんに変わって里親として地域の子どもを見守っていく。養育の社会化を進める過程で、これからもっと里親が増えることを願っています。」

Mother and child sitting on bench and talking

あなたも里親になりませんか?

すべても子供は、愛情を受けて、心身ともに健やかに成長する権利も持っています。しかし、保護者からの虐待などの様々な事情により、家庭で生活できない子供がいます。そんな子供たちを保護者に代わって、家庭の中で愛情と真心を込めて育てる里親制度は、とても大切な制度です。あなたの支援を必要とする子供たちがいます。

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