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世界でも類を見ない ゾウがメインの動物園

市原・木更津・君津・袖ヶ浦・富津

2014年02月15日土曜日

オニオン記者投稿

世界でも類を見ない ゾウがメインの動物園

2014年02月15日土曜日

市原ぞうの国 代表取締役園長 坂本 小百合さん

房総半島のほぼ真ん中、山間部に位置する「市原ぞうの国」。
ゾウをメインとする動物園は、国内はもちろん世界でも例が少ない。
そのため開園までは当然のように試行錯誤と悪戦苦闘の日々。
しかしその後の動物ブームでドラマ、映画、CMなどでたくさんの出演依頼があり、徐々に運営は軌道にのりだす。
決して順風満帆ではない道のりだったが、家族や周囲の協力で今や100種類以上の動物と、11頭ものゾウがいる園となった。
来年には園内で3頭目となるゾウが出産予定であり、ゾウ繁殖の起点としても注目されている。

国内初の試み ゾウの動物園開園へ

1989年4月に開園し、25 周年を迎える「市原ぞうの国」。
11頭ものゾウがいることで知られているが、キリンやラクダ、レッサーパンダ、カバ、シマウマ、トラ、ワニ、ペンギンなどなど、じつはゾウ以外にも見ごたえのある動物が数多くいる。
「もともと動物が好きでしたので。もしかしたら、ゾウでなくてもよかったのかもしれないですね(笑)。でも動物の仕事をして、〝ゾウと暮らせる、わたしの動物園を作りたい〟という夢をもっていましたので、開園できたときは本当に有頂天でした」と言う坂本さん。
はじめは小さな動物プロダクションからスタート。
その後に現在の「市原ぞうの国」の前身となる私設の動物園をオープンさせることができた。
「でもゾウを主とした動物園は今でも国内にはありませんし、当初はスタッフも未熟でしたから、ゾウとどう接していくかなど基本的な環境づくり、人づくりが課題でした」と振り返る。

転機があったのは、86年に公開された映画『子象物語 地上に降りた天使』だった。
ここに出演するゾウを海外から2頭用意し、映画での演出などをプロデュースする依頼があったのだ。
「莫大な時間と費用がかかり、ギリギリでなんとか予定通りに手配することができました。そのときが、その後に本園が軌道に乗れるかどうかの、大きなポイントの一つだったと思います」
事実、その後映画でのゾウの演技が話題となり、ゾウへの関心が高まって出演依頼が殺到。
そのまま経営は順調に乗り出したかにみえたが、またも大きな問題が発生。
「映画で出演したゾウのライティが、先天的な内臓疾患が原因で突然死してしまったのです」
しかしその後すぐ、国内で経営難のサーカスから子象の売却話が浮上し、すぐに買い求めることに。
それが現在も同園にいるゾウのランディだ。
そのころから象使いを増員し、ゾウを調教していく体制を整えていった。
閉園する動物園などからもゾウの引取りの話が続き、徐々に園内は活気づき、規模も大きくなっていった。

命をつなぐ 理想の動物園に

そうして『子象物語』の時に来たランディとミニスターに加え、和歌山県のサファリパークから来たミッキー、新潟の閉園した動物園からようこ…と園は段々と手狭になり、ついに東金から現在の市原へ移転。
市原ぞうの国の前身となる動物園を開園した。
「千葉は自然豊かで、たくさんの動物を飼育するには土地も十分にありました。移転して様々な動物の飼育をはじめ、イヌ、ネコからゾウ、キリン、シマウマなど約160種630頭の動物が伸び伸びと暮らしています」と坂本さん。
その後もテレビドラマや映画『星になった少年』などの人気で、来園者は県外からも含めピーク時は年間20万人を数えるように。
「でも地元の方々の来園が意外に少ないんです。私たちの園はリピーターが多く、ぞうさんショーなどで伺うと、約8割の人たちに再来園していただいていました。一度来て頂ければ、きっと魅力を伝えられると思います(笑)」
ただ一方で、園の規模が大きくなるにつれて基本に立ち返って運営を見直さなければならないと坂本さんは言う。
「やはりここまでこれたのは、多くのスタッフをはじめ、自分をここまでにしてくれたゾウや動物たちのお陰です。まず一番肝心な〝動物を幸せにする〟という姿勢を忘れず、周囲に感謝して行きたいと思います」。
そうして動物たちが幸せに伸び伸び生活しているのを見せることで、子供たちに命の尊さを伝えることができる。
「やはり動物園の使命は、本物に触れてぬいぐるみとは違う温かさ、臭いを肌で感じてもらうこと。本物の自然を感じ、生きていることがどういうことかを伝えることなんです」
その思いが形になったのが2005年開園の「勝浦ぞうの楽園」と、11年の「サユリワールド」だ。
とくにサユリワールドはキリンやレッサーパンダと間近に接することができ、カピバラやラマ、七面鳥、アヒルやウサギ、カンガルー、カメなどが自由に歩き回り、いつでも彼らと触れ合えるという異色の動物園。
竹林のある庭に座っていると自然に動物が近づいてくるような、まさに坂本さんが理想とする動物園のスタイルに近づいている。


また市原ぞうの国には、13年9月に生まれた「りり香」と、6歳になる「ゆめ花」の2頭の子象がいる。
さらに王子動物園から委託されて同園にいるズゼはただいま妊娠中。14年5月に出産予定だ。
「無事に産まれれば12頭のゾウが園内にいることになります。オスだったら園にいる2頭の子象のお婿さんになれるかも…今から楽しみです」。
豊かな自然の中で、命をつないでいく。坂本さんの夢はこれからも続く。

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坂本 小百合/さかもと・さゆり

1949年横浜生まれ、モデルとして活躍後、動物プロダクションを経営。
89年に「市原ぞうの国」、その後「勝浦ぞうの楽園」「サユリワールド」を開園して現職。
著書に映画化された『星になった少年』『ちび象ランディと星になった少年』『ゾウが泣いた日』など。

『市原ぞうの国』

ゾウを中心とした動物園として知られるが、単に見るだけではなく、ゾウに触れ合うことができる。
ぞうさんリフトでゾウの鼻に載せてもらい、ぞうさんライドはゾウの背に乗ることも。
なかでもぞうさんショーはゾウが絵や文字を書き、サッカーをするなどゾウの可能性を発見することができる。
園の事業として繁殖などの取り組みもある。

住所:千葉県市原市山小川937
TEL:0436-88-3001
営業時間:9時~17時
定休日:木曜日(祝日および春・夏・冬休み期間を除く毎週木曜日)
http://www.zounokuni.com/