2014年01月20日月曜日
剣豪の兵法から学んだ 店づくり、まちづくりの基本

株式会社 道継 二天一流総本舗
代表取締役 井上 正生
本格的革製品を扱う「二天一流総本舗」。
船橋市と市川市に3店舗をもち、手づくりでお客様に合わせた世界にたった一つの商品をつくることで注目が集まっている。
同社を立ち上げたのは、かつてシューズメーカーや商社で靴に携わり、革製品への技術を磨いてきた井上氏。
当時勤めていた会社でドイツ中西部フルダへの研修があり、そこで職人に対するマイスター制度や、人を中心にした理想的なまちの構造に直面。
人口6万人程度の小さなまちながら、人と人との交流を豊かにし、職人を育てる充実した環境を体で感じた。
何より人々が自分たちのまちにプライドをもっていたことに感銘をうけたという。
ドイツのモノづくりの現場に習い、自分が生まれ育ったまちでも職人達のスキルを上げ、商品を通して人の交流を図り、まち活性化を実現したいと考え、起業に至った。
創業は2008年。靴、鞄、財布、ベルトなど、様々な革製品が配置よく並んでいる。
趣のある店内の奥にはそのまま工房が続いており、ミシンや作業台があって職人たちの革を打つ音が響く。
モノづくりのこだわりは、お客様が求めているものに応え、ときに先回りした商品を提案できること。
そのためには、職人とお客様の顔が見える環境づくりをし、お客様のニーズに敏感に反応できる二天一流ならではのブランディングの実現が不可欠になる。
こうした店づくりは、宮本武蔵「五輪書」の兵法からヒントを得たという。
武蔵の長刀・短刀をもってどんな敵にも立ち向かえるようにした二刀流は、つまりどんなお客様に対しても対応できる術をもつこと。
「自分も仕事に対する構えをもちたい」と思い至った井上氏。
そしてこれが店舗名「二天一流(二刀流)」に、そのまま反映されている。
また活性化には「たくさんの人が行き交うまちとなるべき」と井上氏は言う。
人が動けば、消費の回転も増える。
そのためには、まず地元にもよい商品がたくさんあることを知ってもらうこと。
さらに商品を通して、人に会うことにも価値を見出してもらわなければならない。
人のつながりこそが、まちを元気にする。
二天一流では積極的にイベントやワークショップなどを開催。
「店を見に来てもらいたい」と語る井上氏には、ものづくりに対する自信と誇りがみえる。
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株式会社 道継本社
二天一流総本舗〈中山工房〉
火曜定休
〒273-0035
千葉県船橋市本中山2-14-8
アイサダ第二ビル2階
TEL.047-302-7950
TEL.047-332-4200〈中山店〉
TEL.047-322-3380〈市川店〉
営業時間:11時~19時
HP▶http://2ten1ryu.com/