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食べておいしい、 見た目も美しい 野菜をデザインする新発想

千葉県全域

2013年06月22日土曜日

オニオン記者投稿

2013年06月22日土曜日

食べておいしい、 見た目も美しい 野菜をデザインする新発想

野本氏

有限会社葉っぱや 代表取締役 野本 一弘氏
 
今年1月、有限会社葉っぱやの「葉っぱやガーデン」が、“千葉ものづくり認定製品”に認定され
た。
「葉っぱやガーデン」は、長年水耕栽培を続けてきた同社の技術・ノウハウの集大成となる製
品。
水耕栽培のシステムをそのままコンパクトにして、家庭で手軽に無農薬野菜を作ることがで
きる商品である。
千葉を皮切りに全国に向け、水耕栽培のよさを啓蒙・発信することもねらいとしている。
 

水耕野菜の魅力をいかに伝えるか

葉っぱやの水耕栽培の農場に入ると、鮮やかな黄緑色のレタスの葉が一面に広がるのが見え、小川のせせらぎのような水の音が心地よく耳に聞こえる。
このレタスはヨーロッパの一部で栽培されていた非結球レタスが原種。
これを大きく丸く、かつ美しい株になるように改良したものが、葉っぱや主力商品の「ブーケレタス」として店頭に並んでいる。

「葉の形状が結婚式で花嫁の手にするブーケに似ていることから、このネーミングにしました。振り返れば8年前、自分たちがみつけたこの品種をどう売るか、販路をどう展開していくか、苦悩の日々でした」
そう語るのは葉っぱや代表取締役である野本一弘氏。
 
野本氏は父親がトマトの水耕栽培をする農家で育ち、名古屋で水耕栽培を勉強したのちに独立した。
トラクターの乗り方を知らない、まさに水耕栽培のみを知る農家として今に至っている。
もちろん水耕栽培にこだわりをもつのには理由がある。
土壌では、栽培し続けると作物に病気が生じることも多いが、水耕栽培だとその心配がほとんどなく、作物の栄養状態を管理できるメリットもある。
さらに水耕栽培の野菜では土埃が根や葉に付着することがなく、品質の面でも利点は大きい。
しかし振り返れば水耕野菜のメリットを知ってもらうまでの道のりは平たんではなかった。
 
「ときには逆風の状況もありましたが、まずは食べていただこう、という姿勢を常に貫いていきました」と野本氏は言い、水耕野菜を広く認知してもらうために様々なアイデアを発案し続けていった。
「当初、水耕野菜は百貨店に置いていただきました。百貨店に置くことは高級食材としての認知も期待できたのです。ところがその後水耕栽培に対する偏見もあって、売り場における水耕野菜の販売スペースがどんどん小さくなっていったのです」
そこでブーケレタスの美味しさを知ってもらおうと、生鮮野菜コーナーでのブーケレタスの試食販売を実施。
ドレッシングを使用せず、生ハムをブーケレタスで巻いて食べてもらうと、ブーケレタスの食感やクセのない風味が生ハムにマッチし、一般の消費者に高く評価された。
「水耕野菜の安全性と、当社のブーケレタスの美味しさは、まず食べてもらえればわかると確信していました」
 
ブーケレタスは柔らかくて苦みがない。
子供に食べやすいものであれば、母親も手に取りやすい。
そして生ハムとの試食販売による高級感が主婦の心をつかんだ。
そしてさらに野本氏は革新的なアイデアを思いつく。
ブーケレタスを丸ごと仕舞いこめる、ペットボトルと同じ材質によるオリジナルの野菜パックを考案したのだ。
鮮度を保てる特殊加工を施したオリジナルパックは、ブーケレタスのふんわりとした美しい形を維持し、冷蔵庫に収納できるよう工夫されている。


 

未来の野菜作りの環境のために

葉っぱやでは2005年からブーケレタスをメインに、「売れる野菜づくり」のための独自の仕組み作りに取り組んでいる。
全国の水耕栽培農家で連合を組み、農家の全国ネットワークを広げようと目論んでいるの
だ。
そこでは水耕栽培による各地の高品質野菜を、販路を確保したうえで作付け展開している。
「生産と供給のバランスが保て、生産者・販売者が一体となってお客様のニーズに応えられる仕組みを構築しました。
全国各地の農家を尋ね、一緒に農業改革を起こそうと声を掛けて回りました。
今では全国34の農家が集まり、おかげさまで仲間も増え続けています」
 
さらに消費者への水耕栽培の理解を広め、家庭でも簡単に実践してもらうために考案されたのが「葉っぱやガーデン」である。
25年前に発案したが、一時は断念しそうになりながらようやくコンパクトでデザイン性の高い形に仕上げ、地元企業の協力の下、作物の生育に適した波長をもつオリジナルLEDライトを開発することもできた。
そうして約2年のテストを繰り返して2010年に販売開始。
 
「天候も気にせず無農薬野菜がつくれ、とれたて新鮮野菜が自宅で食べられます。
葉っぱやガーデンで〝健康で美味しい食〟というものを、子どもたちをはじめご家族で感じていただき、また育てることの喜びや観賞する楽しさも一緒に味わってほしいですね」
 

 
仄暗い部屋の中、LEDライトからの淡い色と、そこに浮かぶ水耕野菜の姿は確かに美しい。
「まるで熱帯魚の水槽のような色合いで、見ているだけで心が落ち着きます。男のロマンですかね(笑)。もっと可愛らしいデザインにして、女性にもさらに支持をいただけるようにもしたいです」
 
一方葉っぱやでは、農場に数名の研修生を受け入れ、30年もの間人の育成にも力を入れてきた。
リスクのない就農システムを目的としており、若い人も多く参加してきた。
指導にあたり、野本氏は若い人にもっと欲をもってほしいと感じたという。
 
「農業は決して簡単ではありません。だからこそ、将来を担う若者たちには諦めず、好奇心・挑戦心を持って農業に取り組んでもらいたい。いいものを作りたい、おいしいものを食べてもらいたい、という欲が、自分だけでなく農場や作物をもっと成長させてくれます」
 

 
人を育て、人に喜ばれる商品を生み出していく葉っぱや。
「食べて美味しい もらって嬉しい」のフレーズの下、水耕栽培を通した豊かな生活を目指して人々をもっと笑顔にしてもらいたい。

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